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拒絶査定不服審判の請求はなぜ「不利益行為」なのか?

 特許法9条は、代理権の制限について規定している。所謂基本書等では、本条で「特別の授権を得なければ」行えないとされている行為は、不利益行為と呼ばれている。
 ではその「不利益行為」の中に1つだけなぜかが理解できないものがあった。それは「拒絶査定不服審判の請求」だった。
 私は、「拒絶査定を受けて一定期間放置したら拒絶査定が確定するのだから、拒絶査定不服審判の請求は所謂”保存行為”であり、不利益行為として制限されるのはおかしい」と思っていた。
 上記自説を職場の先輩弁理士や弁理士受験仲間に聞いたが、納得のできる答えを得ることができないまま、最終合格した。
 合格して弁理士登録しても上記の疑問は消えず、もやもやした気分が残った。
 そこで職場の相談役で元知財高裁判事だった人に聞いてみることにした。その答えは以下のようなものだった。

「出願人が”代理人を選ぶ権利”を保証するためだよ。だって今までの代理行為がまずくて拒絶査定になったとしたら、そんな人に審判請求の際に代理人になってもしょうがないだろ?」

 つまり、自分の出願が拒絶査定を受けたときに「最善の代理人を選ぶ権利」を保証する、換言すれば、「最善ではない代理人による審判請求」=「不利益行為」ということだと理解した。
 これに付言してその人は、「だから包括委任状が当たり前の現状には問題があると思う」とも言っていた。

納得!

私も「最善の代理人」たるべく研鑽を積まなくては。

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非公開コメント

No title

つかどんさんが書かれていますが、
民事訴訟法上の審級代理の原則に由来するのだと思います。
趣旨として、なおすずかけさんが元判事さんから聞かれたことと同じです。
同様なことを、どこかの受験機関で教えていただような気がします。
それとも、弁理士受験新報の条文クリニックかもしれません。

No title

「拒絶査定不服審判の請求」以外が偶然、不利益行為だっただけではないでしょうか。

うっかり八兵衛さんへ

コメントありがとうございます。
そうだったんですね。民事訴訟法の本で確認してみます。

これからも遊びにきてください。

紫さんへ

コメントありがとうございます。

要するに紫さんの主張は、「9条に限定列挙されている行為は、拒絶査定不服審判の請求自体は不利益行為ではないが、それ以外は出願人に不利益をもたらす恐れのある行為をだから、所謂基本書等では、9条を不利益行為に関する規定と書いている。」ということで良いでしょうか? 以降この理解を前提に話を進めます。
 このようなことを私も以前考えていましたが、以下のような疑問に答えることができず、上記主張を自分の中で取り下げました。

1.いくら10以上ある具体的行為の1つに過ぎないとはいえ、それを無視した総称を付すのは適切な学問的態度なのか?
2.もし拒絶査定不服審判の請求が不利益行為でないとすると、なぜ「特別の授権」の提出が求められるのか?(代理権を制限するのだから、立法趣旨が明確にされなければならない)

上記について紫さんのご意見をいただければ幸いです。

あと私が日記で紹介した見解についてどうお考えですか? 私は、この説明は、「拒絶査定不服審判の請求は出願人にとって不利益行為となる恐れがある」という命題を正当化するのに十分な根拠になると思います。この説明に対抗しうる見解をいただけると嬉しいです。
 

改正の問題?

はじめまして。只今勉強中の者です。
全く同じ疑問をもち、この記事を拝見させて頂きました。
理由について納得できました。ありがとうございます。
しかし、私が青本を読んで思ったのが、拒絶査定不服審判の請求との文言が昔は「121条1項の審判の請求」と記されていたことに起因するのでは、ということです。
以前は特許査定に対しても不服審判請求が可能だったようで(青本121条)、特許査定への不服審判はそりゃ不利益行為だな、と納得し、改正で外れることなくそのまま残ったのかな、と勝手に推測してみましたが同じような意見はネットで探したところみかけませんでしたので、よろしければご意見を伺いたくコメントさせて頂きました。
改正で外さなかったのにはやはり理由があるからで記事で書かれていた理由が大きいのだと思いますが、元々が完全に不利益行為を含んでいて改正で変わったけど残しておくか、といった経緯も考えられるのではと思いました。
結局曖昧な根拠ですが、特許査定への不服審判(旧法)に触れている意見がありませんでしたので、是非ご感想頂ければと思います!
プロフィール

なおすずかけ(「すずかけ国際特許事務所」とは一切関係ありません)

Author:なおすずかけ(「すずかけ国際特許事務所」とは一切関係ありません)
東京都在住のアラフォーです。
2009年弁理士試験に最終合格し、2010年4月に弁理士登録しました。現在東京都内の特許事務所に勤務しています。
家族構成は、妻と娘2人(小学4年生と1年生)。
趣味は囲碁(WINGで3k。一般的な日本の碁会所だと4段くらい?)

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